年に数度、頼む仕事がある。
それは決して難しいものではない。
ただ、期限という輪郭を持っているだけの、ささやかな約束だ。
けれど、その約束は守られない。
週末という曖昧な時間に飲み込まれ、やがて忘れられる。
思い出されるのは、誰かのリマインドによってだけだ。
そして差し出される結果は、どこか輪郭がぼやけている。
理解しようとすればするほど、こちらの思考のほうが揺らぐ。
手を入れ、整え、もう一度確かめを求めても、
そこに注意や意志の痕跡はない。
それでも「確認した」と言葉だけが置かれる。
言葉はあるのに、そこに意志がない。
わからないことを、ただ尋ねる。
それは本来、関係を前に進めるための行為のはずだ。
しかし返ってくるのは、感情の揺れであり、
時に、その場からの離脱という形を取る。
そのとき、私は気づく。
あなたは、変わってしまったのだと。
何かを受け取るとき、あなたは笑顔を見せる。
けれどその内側は、いつも限界まで膨らんだ風船のようだ。
張りつめているのに、どこへも向かわない。
意志を持たず、ただ破裂の瞬間を待っているかのように。
かつての私は、そこに巻き込まれていた。
相手の感情の起伏に触れ、
その波に乗り、
意図しない場所へ流されていった。
そのたびに、自分の内側も傷ついた。
だが、今は違う。
冷めた、というよりも、
距離を知ったのだと思う。
まるで、異なる生き物を見るように、
感情が溢れない場所に立っている。
私は、あなたではない。
だから、あなたの代わりに変わることもできない。
春は、気分屋だ。
暖かさと冷たさを、同じ顔で運んでくる。
その移ろいに、かつては心を預けていた。
けれど今は、違う。
私は、そよ風が好きだ。
揺らすことはあっても、
壊すことはない風を、選びたいと思う。