最近、釣りを生業にしなくて本当に良かったと思うことがあります。
もし自分が釣具メーカーとしてルアーを開発・販売していたら、売上確保のために、釣果の差がほとんどない製品でも必死に作っていたはずです。
結果として、必要以上の在庫や過剰生産を生み、無駄を拡大させていたかもしれません。

実際、趣味の釣りでさえプラスチックワームは大きな段ボール二箱分もあります。一生かけても使い切れない量です。幸い、まだ段ボールの中にあるので水辺のゴミにはなっていません。
しかし、もしこれがビジネスなら、数百倍、場合によっては数万倍の量を市場に流していたでしょう。経済活動としては成立しますが、環境への負荷は計り知れません。


必要以上に消費しないことの重要性

現代のビジネスでは、売上や利益を追い求めるあまり、つい無駄な生産や消費を生みやすくなります。
人間の生活や趣味でも同じことが言えます。移動には車や飛行機を使うし、電気も多くのカーボンを排出して作られています。完全にゼロにすることは現実的ではありません。
重要なのは、「必要以上に欲張らないこと」です。消費や生産の量を自分の必要に見合ったものに抑えることが、ビジネスでも環境でも大切な姿勢です。


趣味から学ぶ「持続可能な楽しみ方」

釣りに関しても同じです。特別に大きな魚を他人より多く釣りたいわけではありません。
自分のスタイルで釣りを楽しみ、ターゲットが反応してくれることこそが喜びです。
つまり、消費や生産の効率を考えつつ、楽しみは持続可能な形で享受する――趣味からもビジネス的な視点や環境意識を学ぶことができます。

過剰な生産・消費は環境負荷を生みますが、必要な範囲での創意工夫や楽しみは社会にも自然にも優しい。
ビジネスも趣味も、このバランスが持続可能性の鍵だと感じています。


来期の目標:夏季休暇の確保

来年の夏季休暇は 8月1日から8月23日までの23日間 とすることを考えており、社員の皆んなにはすでに伝えています。

企業としての使命は「より多く販売し、より多く利益を出す」ことであり、増収増益を目指すのが当然です。
しかし、最近は年齢や経験もあってか、「無理をして増収増益を追い求めること」よりも、工夫をしながらも本当に大切にすべきことは何かを考える日が増えました。

背景として、現状は完成品のオーダーが多く、在庫があれば出荷可能ですが、7月末時点で在庫がなければ営業していても仕事がない状況です。
そこで、今までは12か月で計画していた売上・利益を10か月で達成できる数字へと減らし、残り2か月を「開店休業」とするくらいなら、思い切って休暇とする方が有効だと考えました。

社員の皆さんには、この新しい余白を仕事ではなく、個人や家族のために活用していただきたいと思います。
実行すると、土日祝日・夏冬休みを合わせて年間休日は138日となります。
一度決定した後には変更するつもりはありません。
「休暇のために働く」のではなく、共通の目標を達成した結果として休暇を得るという姿勢で取り組めば、会社にも個人にも負担はありません。さらに収益性を高めれば、休暇日数をさらに増やすことや給与への反映も可能です。


結び

まずは来年の夏、全員が揃って3週間の夏季休暇を安心して取得できることを目標に進めていきます。
趣味の釣りや日常の生活でも学んだ「必要以上に欲張らない」という視点を、ビジネスの現場でも大切にしていきたいと思います。