春の嵐と言おうか、今日は朝からとても風が強くセンバツ高校野球も順延となった。
牛窓へ釣りに行くようになり今まで以上に毎日の天気が気になる。
WBCが漫画より小説とでも言えるほどドラマティックな日本の優勝で終わり、何度も何度も繰り返しの放送を見ても飽きるどころか興奮がおさまらず、
気持ちの良い疲れのようなものを心身ともに感じている。
そんな中でも頭の隅っこでは釣りのことばかりを考えてしまう。以前にも書いたように思うが、ボートの購入を決めた時に牛窓界隈はあまり釣れないのにどうして?と言われたが、なんのなんの釣っている人は信じられないほどの釣果をあげている。
どこの釣り場でも、どんな対象魚種であっても、その地域にはローカルヒーローのような達人がいる。
メディアや試合に出ていない、有名人でなくても常に釣果を上げ、しかもそれが半端ない数であったりサイズであったりと・・・
さかな探しの時間はとても楽しく、時に辛い。反応が無ければ、自分の想像や考え、リグ、全てが間違いでいつまで経っても答えが見つからない時間はまさに修行のように思える。ましてや寒い冬は心を折られそうになることもしばしばだ。
魚を釣りたい、その気持ちだけを満足させるなら遊漁船に乗れば簡単に結果は得られるのであろうが、それじゃ面白くないと試行錯誤を繰り返し陸に上がってもあれこれ考え海図とも睨めっこしている日々が続いた。
そのようなことで、僕は人にどこで釣れたかと聞かれると大体の場所は答えるが、あまり人に釣れた場所を聞くことはない。
池原ダムに毎週のように通っていた頃、40センチまでのバスなら100匹近く釣ることができていた時に、ひとりトーナメントのプラクティスを行なっているかのような人に出会った。ローカルの大会に出ているぐらいでチャプターなどにも出ていない人だったが、毎回、重いデカイバスを5本キープして桟橋に戻って来る。僕は勝手に師匠と呼んでいたが、結局は釣り方もポイントも教えてもらうことは無かった。
牛窓では経験があまりない中で少しづつ釣果が出てきていた頃に、
マリーナで働かれている方から、もうすぐ上手な人が来るからポイントを教えてもらったらどうですかと言われた。
聞けば30年以上もこの海で釣りをしている人だと聞いた。
お会いして話をしたが、土地勘が全くない僕には地名を聞いても全くそれが何処なのかもわからないままで終わったが、
LINEを交換してもらえることになった。
それから、自分の釣果を送ったり、受け取ったりと、釣行前後に連絡を取るようになっていた。お世辞だったとは思うけど、その頃は少しづつ魚に触れることも増え、大したものだと言ってもらえたりと、自分でもそれなりに釣っていると満足感があったのだが、
12月は風で1度しか行けず、1月も0回、2月の8日にやっと初釣りに出れたがそれから4連続でボウズをくらっていた。
その間もメッセージのやり取りは続いていたが、釣れないとは言え必ず魚を手にしていることに毎回驚かされていた。
そして、僕もようやく魚を触ることができるようになった頃、メッセージで「少し早いですが、そろそろスズキ狙いで行ってくる」と連絡が入った。
無論、メッセージ交換には行く場所などは書かれていないし聞くこともない。
その日、僕にも狙っていた訳ではないが50センチぐらいのスズキがヒットして真鯛も6枚ほど釣ることができていたのだが、
マリーナに戻り、片付けをしていると船の調子を見てもらいに桟橋に来られた。
僕の釣果を褒めてはくれたのだが、生簀を見ると笑いが出るほどのスズキと真鯛が入っていた。
しかも、昼からの数時間の釣果だそうで本当に驚いた。何よりも、狙いに行って狙った魚をしっかり獲ってくることが一番の驚きだった。
少しサビキのことを教えてもらいその日は終えたが、
そこからが半端ない、
その後に送られてくる写真はいつも大漁で、
最後には「やっとブリが獲れたから終わる」と書かれている日もあった。左舷側は足の踏み場もないほど魚だらけの写真もあった。
「食わず嫌い」
この言葉が頭をかすめた。
その返信メッセージには、
「もう意地はらずに弟子にしてほしい」と書いた。
意地を張っていた訳でもなんでもないのですが、弟子にしてほしいが恥ずかしく、意地はらずと書いてしまった。
もちろん、答えは「また、一緒に行きましょう」で弟子なんか恐れ多いと書かれていた。
僕が得れる情報はマリーナの社長と釣行後に少し雑談する程度で他人がどんな釣りやどんなリグを用いているのかほとんど知らない。
ましてや、皆さんが自分と同じように、自身で操船し楽しまれている人ばかりなのでポイントを聞くなどしたくはない。
それでも、この人は半端ないと思えたから、勝手に弟子入りを決意した。
もう、弟子入りしたのだからと、
ロッドは何を使っているのかを聞いてみた。これについては、僕が使っているタイラバロッドの質問が以前あったので遠慮なく聞くことができたし、
ロッドやリグよりもポイントと潮が重要なことは当然のことで理解している。
インターラインロッドがガイドに長い仕掛けが絡まず使いやすいと教えてくれた。本当に正直言って、サビキ釣りをする自分が半年前には想像もできなかった。
実際にチョクリ仕掛けを使い釣果も出た事で、タイラバとは違う面白さ(これについては以前の記事に書いた)を感じ、まだ10m以下の仕掛けしか使ったことが無いのでトラブルは無いが長い仕掛けを用いるのであれば、長いインターラインロッドに分があることは理解できる。
今の2.7m、フィートで書かないのも船釣師のようであるが、このロッドでも1日手巻きしていると右腕がかなり疲れる、3.5mでさらにロッドも重いので想像もつかないけど、とにかく新しい釣りに挑戦したいと思いインターラインロッドを注文した。そろそろタイラバでも釣れる水温に変わろうとしているのだろうけど、これから先、また冬が来たらこの経験が必ず結果につながると信じて練習したい。
そして、メバル釣りもしたいし、ひとつテンヤもしてみたい。
落とし込みもシーズンが来ればチャレンジしたいし、まだまだやりたい事も可能性も大きい。
とにかく、1日でも多く海に浮かび、狙った魚を考えたリグでキャッチしたい。