これまでの人生で、こんなに「自分以外の人」に気を配ったことはなかったかもしれない。
でも、不思議なことに、神経質にならずに少し距離を置いて眺めてみると、案外うまくいくことが多い。
気がつく人もいれば、気づかない人もいる。
動く人もいれば、動かない人もいる。
それぞれにちゃんと役割があるのだと思えば、心が楽になる。
話したくても話せない人に、無理に「話して」と言うよりも、
その人に合った小さなお願いをしてみると、思いがけずうまく回り出すことがある。
何もせずに座っている人がいても、
「そこに居るだけで意味がある」と思えば、その人を自然に受け入れられる。
人にはその時々に合った“居方”があるのだ。
結局のところ、「自分がどう感じるか」よりも、
「相手がその時間をどう過ごしているか」を大切にした方がいいのかもしれない。
「みんなが楽しく」——この言葉は、簡単そうでとても難しい。
楽しいかどうかなんて、きっと誰にもわからない。
でも、少なくとも争いごとのない時間であれば、それだけで十分なのだと思う。
正解は、きっとどこにもない。
だからこそ、今日もそれぞれのペースで、静かに過ごせばいいのかもしれない。