約二ヶ月半、海に出ていない。
だが今、仕事が海よりも深い。
明確なビジョンがある。ゴールには期限がある。そして、そこへ至る道に「一段飛ばし」は存在しない——これは制約ではなく、構造の真実だ。階段というものは、踏みしめた足の重さだけが次の段への許可証になる。焦りは人を宙に浮かせる。浮いた者は、落ちる。
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ひとつの課題を解けば、その奥にまた扉がある。解決するたびに増えるタスクの山を前にして、かつての自分なら圧倒されていたかもしれない。だが今は違う。それは「発見」の証だと知っているから。見えていなかったものが見えるようになった、その証明に他ならない。
人の頭の中は複雑怪奇だ。感情と論理が絡まり、習慣と恐れが岩盤を作る。経営とはその地層を読み解く仕事でもある。構造を熟知しているからこそ、課題の輪郭がくっきりと浮かぶ。施策は、霧の中からではなく、地図の上から生まれる。
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スキルが磨かれる感覚がある。それ以上に、思想が研がれていく感覚がある。この二つは別物で、前者は反復が育て、後者は問いが育てる。今という時間は、その両方を同時に要求している。その充実感は、釣り糸に魚信がきた瞬間のそれに、どこか似ている。
今までとこれから先を繋ぐ時間の中にいる。
過去は根であり、未来は梢だ。
幹である今を、丁寧に太くしていく。
それが楽しくてしかたない。
過去は根であり、未来は梢だ。
幹である今を、丁寧に太くしていく。
それが楽しくてしかたない。