三ヶ月ぶりにボートへ乗り込んだ。バッカン一つ、ロッド一本。シンプルな装備のはずが、出発してすぐに忘れ物に気づいた。一度家へ引き返し、少し遅れての釣行となった。こういう出だしのとき、昔の自分なら気持ちが萎えていたかもしれない。だがもう、そんなことでは揺れない。
八時にポイントへ到着。満潮は八時半で、そこからしばらく潮は動かない。こういう時間が釣りの本質だと思う。焦っても仕方がない。ロッドを握り、ラインを張り、ただ待つ。水の下で何が起きているかを想像しながら、静かに時間をやり過ごす。
浅場を丁寧に探っていると、小さなバイトがあった。ガシラだろうか、乗らずにミス。惜しいとは思うが、悔やんでも魚は戻らない。少しずつ深みへと移動しながら探り続けると、ようやくガシラがヒットした。続いてチャリコ、いわゆる小型の真鯛も上がった。


潮が本格的に動き始め、少し落ち着いた十一時ごろからアコウが二尾。昼前にもう一尾の真鯛を追加して、合計五尾でロッドを置いた。四時間の釣行だったが、久しぶりとあって腕に力が入らず、足もずいぶん疲れていた。体は正直だ。

前回の二月は、終日ノーフィッシュに終わった。リベンジかリハビリか、自分でもよくわからない。けれど、どちらでもよかった。潮が動くまで黙って待てたこと、深みを諦めずに探り続けたこと、それだけで十分だった。
【Tackle Data】
リール:18 OCEA CONQUEST CT 201PG
ロッド:RED FLIP RF792B-L(改)
ライン:PE 0.8号 / リーダー12lb
–
仕事の話をすれば、今週も消耗する時間があった。何の準備もなく場に臨む人間と、三時間半向き合わされた。何度同じことを繰り返せば気が済むのか。言葉が通じないのか、問題を直視する気がそもそもないのか、もはや判断する気力も惜しい。だから今日、逃げ場のないタスクを一つ設定した。言葉ではなく、行動で測る。それだけのことだ。
人は変えられない。潮と同じで、動くときは動くし、動かないときは動かない。自分にできるのは、深みを丁寧に探り続けることと、動き出した瞬間を逃さないことだけだ。
海の上での四時間は、そのことをまた静かに教えてくれた。