06/28/2026 KatsuSera

雨の隙間に、命は動いている

Every creature stirs between the storms.

日曜日の朝、窓の外はまた雨だった。レスターの散歩はお預けになり、代わりに仕事机に向かう。頭の中ではもう次の手が動いている。目をつぶろうとしても、右側の脳が休もうとしない。それを不満に思ったことは、あまりない。 年中無休というのは、事務所の椅子に座り続けることではない。頭が動いている限り、仕事は続いている。アイデアが浮かんだら調べる、試す、またそこから新しいものが見えてくる。そのサイクルの中に、小さな快感がある。今日は来期に向けて、新しいソフトに切り替えることを決めた。

自分で作ったアプリは完全に動く。だがシステムも法令も、世界は常に変わっていく。自前の城に誇りを持ちながら、それでも既製品でバックアップを取る。それは敗北ではなく、現実との静かな和解だと思っている。

 

 

雨が上がった夕方、カメラを持ってレスターと歩いた。いつもの小道。たんたんと続く、なだらかな道。 鳥には、なかなか出会えない。夕方の鳥たちはもう塒に戻る時刻で、こちらの期待をのらりくらりとかわしていく。けれど水辺に差し掛かったとき、トンボたちが元気に飛び回っていた。水面をかすめながら、チョンチョンと卵を落とすトンボがいる。産卵だ。あの小さな身体の中に、次の命を宿している。 レンズを向けながら、ふと思う。生き物というのは、条件が整うのを待っていない。雨の翌日、台風が去ったその隙間に、もう飛んでいる。もう産んでいる。

 

 

 

前日の散歩では、クマバチに出会った。花粉をたっぷりと体につけたまま、ずっしりと重そうに飛んでいた。RX-10M4のレンズをそっと向ける。一瞬、世界が静止するような感覚。レスターはその横で、急かすことなく静かに待っていた。彼はいつもそうだ。こちらが何かに集中しているとき、黙って寄り添っている。 写真を撮るという行為は、見ることの練習だと思っている。珍しい鳥でなくていい。トンボでも、クマバチでも、水面の揺れでも。そこに命の動きがある限り、レンズを向ける理由になる。 雨の日は仕事をして、晴れ間にはカメラを持って歩く。脳が休まない日も、鳥に逃げられる日も、それでも歩みは続いていく。淡々と、しかし確かに。

,

``Nature does not hurry,
yet everything is accomplished``

Catch the Moment, Chase the Tide