06/24/2026 KatsuSera

三五という数字が、人生を貫いている

A number carved into the bones of time

不思議なことがある。人は誰でも、自分だけに語りかけてくる数字をひとつくらい持っているものかもしれない。私にとってのいまは、三と五だ。

十四歳のとき、私は決めた。どんな事業であっても、三十五歳で社長になる。子どもが持つには少々重すぎる決意だったかもしれないが、その重さこそが私を歩かせた。それから四十七年。FFCに入社してちょうど三十五年。数字は偶然を装いながら、しかし確信犯のように人生の節目節目に顔を出す。

今年の三月から、本気で取り組んできた大プロジェクトがある。タスクのほとんどは終えた。残るは士業の専門家たちの知恵と手を借りる段階だけだ。自分でできることはやりきった。そういう静けさが、今の胸の内にある。

梅雨の曇り空は気が滅入る。湿度が肌に絡みつき、何もしていないのに疲れたような気にさせる。それでも、愛犬レスターと少し長めの散歩をした朝は悪くなかった。点滴からようやく回復した彼の足取りが軽くなっていた。生き物が元気を取り戻す瞬間というのは、見ているだけで妙に力が湧く。

タイラバのフックシステムを五つ、手を動かして作り置きした。釣りの道具を準備するとき、私はいつも少し落ち着く。目の前の細い糸と向き合っていると、余計なことを考えずに済む。次の釣行が楽しみだ。

六月二十日の夜、私はこんなことを書き留めた。長い時間をかけて積み上げてきたものが、砂でできた城のように思えることがある、と。目標を持つ人間は必ず何かを犠牲にする。時間軸のずれが、気づかぬうちに大切なものを少しずつ削っていく。未来を想像できてしまうことが、むしろ「甘え」という名の虫に城を崩させる、そんな感覚だ。

だが、それを書いたうえで私は今日も机に向かっている。砂の城だとわかっていても、築くことをやめない。崩れるとわかっていても、次の一手を打つ。それが私の流儀だ。感傷に浸る時間はある。ただ、そこに長居はしない。

残り三ヶ月。それを過ぎれば、仕事人としての集大成が始まる。四十七年前の十四歳が夢見た景色が、ようやく輪郭を持ち始めている。三五という数字は、まだ私に何かを語りかけているような気がしてならない。

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``Nature does not hurry,
yet everything is accomplished``

Catch the Moment, Chase the Tide