アウトドアが好きだ。しかしキャンプが好きかと聞かれると、少し間を置く。
テントを張り、見知らぬ人たちと隣り合わせで一夜を過ごし、チェックアウトの時間に追われながら撤収する。その一連の流れに、どうしても解放感より窮屈さを覚えてしまう。野外にいるのに、誰かの決めたルールの中にいる。それが、私のキャンプに対する正直な感想だ。
だから私は、自分のやり方を選んだ。
牛窓の庭。海が近く、風の匂いがして、誰にも急かされない場所。その日の朝に釣り上げた魚をさばき、少しだけ贅沢な食材を合わせ、自由に料理する。今更ながらスノーピークのIGTシステムを揃えた。ただ格好をつけたかったわけじゃない。道具が整うと、行為が儀式になる。火を起こすことが、料理することが、食べることが、ただの作業ではなくなる。
大袈裟じゃない、そういう感覚を、私は大切にしている。
IGTのエントリーモデルなら、ボートにも積み込める。年明け、ヤンマーEX34が納艇される予定だ。少し大きくなったその船で、沖に出て、波の上で料理して、夜が更けたらそのまま一泊する。そんな遊びを来年はやってみたいと思っている。テント場のチェックアウトに追われることなく、海の上で自分だけの朝を迎える。想像するだけで、胸の奥がざわめく。
人はよく「本格的なキャンプ」「ちゃんとした野外活動」という言い方をする。何が本格的で、何がちゃんとしているのか、私にはよくわからない。自分の手で火を起こし、自分で釣った魚を食べ、星の下で酒を飲む。それ以上に本物らしい夜が、どこかにあるだろうか。
道具は増えた。計画は育っている。しかし焦りはない。
いつかYouTubeで紹介することになるかもしれない。でも今は、誰かに見せるためでなく、ただ自分が楽しいからやっている。その純粋さを、できるだけ長く保っていたいと思う。わくわくするということは、まだ自分の中に余白があるということだ。その余白を、丁寧に、自由に、使っていきたい。